旗竿地の敷地ってどう?メリット・デメリットと注意点も

 

旗と竿が繋がったような形である旗竿地。特に都心部でよくみられる土地の形ですが、旗竿地を選ぶことのメリットやデメリットとしてどのようなことがあげられるのでしょうか。購入するにあたっての注意点と実際の建築事例も合わせてご紹介します。

 

◼ 旗竿地とは

旗竿地とは、建物から公道に出るまでに通路を延ばす必要があるL字型の土地のことをいいます。家を建てる部分を旗、通路を竿に見立てて旗竿地と呼ばれています。建築基準法によって、土地と公道は2m以上接していなければならないと定められています。

 

そのため公道から見て奥まったところにある土地に家を建てたい場合は、公道から建物までを2m以上の幅の通路で繋がないといけません。竿にあたる細長い部分には建物を建てることができず、通路としてしか使用できないことに注意が必要です。

 

◼ 旗竿地の敷地を選ぶメリット

旗竿地とはどのような土地であるかが分かりましたが、旗竿地の敷地を選ぶことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

・土地代が安い

旗竿地を選ぶメリットとして、一番に土地代の安さがあげられます。土地の取引が行われる際、整形地かどうかによって査定額が補正されることが多いため、同じ広さの土地であっても不整形地の方が安く取引されるのが一般的です。

 

旗竿地は不整形地にあたるため、他の条件が同じであっても割安で購入できることになります。とはいえ通路部分の土地も購入しないといけないため、実際に建物を建てられる部分の広さは整形地と変わらないといったこともあるかもしれません。

 

・通路部分を活かせる

旗竿地は土地代が安いものの、実際に家を建てられる部分の広さは整形地と変わらないこともあるとご紹介しました。しかし通路部分はただの通路と考えるのではなく、門から玄関までのアプローチとして活かすことができます。外構にこだわることでおしゃれなアプローチにできるのは大きなメリットだといえます。

 

アプローチ以外にも駐車スペースとして活用する方法もあります。整形地に家を建てる場合、駐車スペースを確保した上で残った部分に家を建てるという順番になりますが、旗竿地では旗にあたる敷地をフルに活用して家づくりをすることができます。

 

・静かな環境で過ごせる

旗竿地では、家を建てる部分が公道から離れているため静かな環境で過ごせることもメリットの一つ。道路を通る人の声や車の音が家の中に届きにくいだけではなく、外からの視線も遮りやすいのは嬉しいですよね。

 

・安全性

小さいお子様がいる場合、家を出てすぐに道路があると飛び出してしまう危険性があります。しかし旗竿地では玄関を出てもすぐに道路があるわけではないため、玄関を出てすぐに通路という場合よりも安全性が高いといえます。

 

◼ 旗竿地の敷地を選ぶデメリット

旗竿地の敷地を選ぶことには案外メリットがたくさんあることが分かりました。しかしデメリットもあるので、土地選びの前に把握しておきましょう。

 

・間口が狭い

旗竿地では、敷地と公道が2mしか面していない場合があることになります。間口が狭すぎると、家を建てる際に重機が入りづらく手間や時間がかかってしまうことがあります。家を建てたあとも引っ越しトラックが家の目の前まで近付けないといったことも考えられます。

 

そのため建築基準法では認められていても、家づくりや引っ越しの際の手間を考えると間口は3m以上の土地を選ぶのがおすすめです。

 

実際に住み始めてから、通路をアプローチとして活用する場合は間口が狭くても問題ないかもしれませんが、駐車スペースとして活用する場合はある程度の幅が必要です。毎日の駐車でストレスに感じないためにも間口の幅を考えるようにしましょう。

 

・日当たりや風通しが悪くなりやすい

旗竿地のデメリットとして、日当たりや風通しの悪さがよくあげられます。公道に面していない奥まった土地であることから、他の家に囲まれていることが多いですよね。

 

日当たりや風通しの悪さを改善するために、基礎部分を高く設定し、家族が過ごすリビングは2階に設けるなどの工夫が必要です。日当たりや風通しは設計次第で解決できることが多いため、設計事務所選びが重要かもしれません。

 

・無駄なスペースが生まれることも

旗竿地では通路部分を活用できたら魅力的なアプローチや駐車スペースにすることができますが、うまく活用できなければ無駄なスペースが生まれてしまうことになります。

 

土地代が割安であったとしても、使わない土地を購入したと考えるともったいないですよね。旗竿地を購入する場合は、通路部分の活用方法を明確に想定しておくようにしましょう。

 

・費用が高くなることも

旗竿地は整形地と比べて外構部分にかかる費用が高くなる傾向にあります。近隣の敷地との境界が既にある場合は問題ありませんが、新たに作る場合に外構費用が高くなってしまいます。

 

通路部分を活用できるメリットはありつつも、コンクリートを敷くだけでも費用がかかってしまうということを頭に入れておきましょう。

 

◼ 旗竿地での注意点

旗竿地を購入する場合、どのような点に注意するべきなのでしょうか。土地選びの前に注意点を把握しておきましょう。

 

・降雪地では除雪が難しい

降雪地では、公道こそ除雪車が通ったりして除雪されますが、家の敷地では除雪作業を行わなければなりません。旗竿地の場合は特に通路部分の雪かきを行うのが大変というだけではなく、雪かきをしたあとに排雪するスペースに困ってしまいます。

 

通路部分に余裕があったり、土地の前に公園や広場などがあったりすれば排雪することができますが、そうでなければ融雪槽などの導入を検討するようにしましょう。

 

・駐車スペースの制限

旗竿地では通路を駐車スペースにすることができますが、車の大きさや台数によっては駐車スペースが狭く感じることもあります。既に所有している車と確保できそうな駐車スペースのバランスをしっかり考えるようにしましょう。

 

◼ 旗竿地での建築事例

こちらの事例は、縦に長い敷地に合わせて奥行きがある建物に設計しました。長いアプローチを抜けた先には白い壁のおしゃれな家。フェンスを高めに設定することでプライバシーを保護しています。

日当たりの確保と視界の広がりを意識して、LDKは2階に配置。吹き抜けを採用することで、家の中の隅々まで光を取り入れることができています。

ロフトからは近くの海や灯台、富士山が見えるなど景色が抜群。

テレビボードと飾り棚は、床材と同じ色の素材を使ってオリジナルで造作。統一感を出しつつ、大きなフィックス窓で借景の縁を取り入れました。

洗面台は広いカウンターとカウンター下の洗濯機が特徴的。鏡の幅が広いので、朝の身支度時間に混雑することもありません。

実際の施工事例はこちら

 

◼  まとめ

都心部でよくある変形地の一つとして、旗竿地という土地の形があります。公道から建物までの間に通路部分が生まれるのが旗竿地の特徴ですが、メリットとデメリットをそれぞれ考慮した上で土地を選ぶようにしましょう。

 

ホームスタイリングでは、横浜や湘南で注文住宅の設計、土地選びのお手伝いを行なっております。お客様のご要望をお伺いし、ご要望を反映することはもちろん意外性のあるデザインや設計のプランもご提案させていただきます。

 

変形地での設計実績もありますので、土地選び方お悩みの方もぜひホームスタイリングまでお気軽にご相談ください。