3階建ての家の失敗例と対策|実際の建築事例も
都心部で家を建てる場合、3階建ての家という選択肢が出てくることも多いはず。3階建ての家を建てて住んでみると「失敗した…」と感じる部分も出てくるようですが、実際にどのような失敗例が想定されるのでしょうか。
また失敗例に対応する対策や工夫もご紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
◼ 3階建ての失敗例と対策
都心部で家を建てる場合、どうしても広い敷地を確保できず狭い土地に家を建てることになることも多いですよね。狭い土地に家を建てる場合は縦に高さを取ることで居住スペースを確保できるため、3階建てという選択肢が出てきます。
敷地を最大限活かせる3階建ての家ですが、実際に失敗したと感じた例とその対策について知っておきましょう。
・冷暖房効率が悪い
3階建ての家は一つの建物で3フロアに分かれているため、その分の設備が必要になります。家族が主に過ごす場所がLDKのある階だけだという場合はそこまで困らないかもしれませんが、各フロアで過ごすような場合には全てのフロアで冷暖房設備を使用することになりかねません。
また暖かい空気は上の方に、冷たい空気は下の方に溜まってしまう性質があるため、夏は3階が暑く冬は1階が寒くなりがち。冷暖房を使うときにはフロアによって冷気や暖気が届きにくい箇所が出て、冷暖房効率が悪くなってしまいます。
→対策や工夫
冷暖房効率の悪さはフロアが分かれて入れば起こってしまうことですが、どのような対策ができるのでしょうか。各フロアに冷暖房設備を設置すると、家族が過ごしている場所だけで冷暖房を使用できます。あらかじめ冷気や暖気が通りやすい設計にしておくと、夏は3階、冬は1階の冷暖房を付けるだけで家全体に空気を行き渡らせることも。
また自体の断熱性や機密性を高めることで、冷暖房の使用を最小限にすることができます。
・家事や生活動線が不便
3階建ての家では1階から2階、2階から3階に上がる階段がありますよね。間取りにもよりますが、フロアごとに生活スペースが分けられているため、家事や生活動線が不便に感じられることもあるようです。
普段過ごしているフロアとメインで家事を行うフロアが違うだけでも、毎日のこととなると負担に感じることも増えてくるかもしれません。
→対策や工夫
家事動線や生活動線の不便さはどのように対策できるのでしょうか。家に帰宅したときや出かけるときに階段を登り下りするだけでも大変に感じられるかもしれませんが、家の中で過ごしているときに無駄な動線が多いとそれだけでも大きな負担になってしまいます。
ただでさえ階段の登り下りが多い3階建ての家では、家事動線や生活動線を考えて間取りを工夫する必要があります。
例えば水回りを一つのフロアにまとめておくと、水回りの掃除を連続して行うことができます。洗濯動線でいうと、「洗濯機を回す」「干す」「収納する」という一連の流れを近い場所でできると効率良く家事を進められますよね。
洗濯機を置く場所、干す場所(ベランダやサンルーム、ランドリースペースなど)、収納する場所(家族の個室やファミリークローゼット)を同じフロアに配置するのがおすすめ。
・階段の登り下りが辛い
3階建ての家を建てる時点で容易に想像できることではありますが、実際に住んでみると思っていた以上に階段の登り下りが辛いという失敗例も。
家を建てる年齢の頃は問題なかったとしても、病気や怪我をしてしまったり年齢を重ねて行ったりすると階段がより負担になってしまいます。また小さいお子様や高齢の方がいらっしゃる場合には、滑ったり転んだりしたことによる怪我も考えられます。
→対策と工夫
3階建ての家を建てるということは階段の負担から逃れることはできません。将来的なことを考えて、家庭用エレベーターの設置を検討してみてはいかがでしょうか。
家を建てる段階からエレベーターの設置を想定して設計することで、将来階段が負担になったときにエレベーターを設置することができます。
また階段が負担になってきたときのことを考えて、毎日3階まで上がらなくても良いような間取りにすることも。1階にある部屋をゆくゆくは寝室に転用できないかどうか、など将来的な間取りの変更も検討してみると良いでしょう。
・隣の家との距離が近い
3階建ての家の失敗例というよりも、都心部に家を建てる場合全般の失敗例として、隣の家との距離が近いことがあげられます。都心部では狭い土地が密集した住宅街も多く、隣の家との距離が近いことで日当たりや風通しの悪さにつながってしまうことも。
また窓の位置が隣り合っていると、カーテンを開けることができなかったり視線が気になったりしてしまいます。
→対策や工夫
隣の家と距離が近いことによる失敗を防ぐ方法は、日当たりや風通しの対策と隣の家からの視線の対策の二つに分けられます。日当たりや風通しの対策としては、家の位置や向きを確認した上で、隣の家との距離や高さに合わせて設計をすること。
全ての部屋を日当たり良くするのは難しかったとしても、家族が過ごすLDKや子供部屋だけは日当たりを確保するなどの工夫をすることができます。
隣の家からの視線を遮るためには、窓をすりガラスにしたり窓の高さをズラしたりといった対策ができます。窓自体を少なくしてしまうと日当たりや風通しに関わってくるため、窓は大きく取りつつ目隠しとなるフェンスなどを設置することも。
土地の形状によっては、隣の家と平行になるように建てるのではなく、斜めに配置するといった工夫ができることもあります。
・収納スペースが確保できない
3階建ての家や狭小住宅では、収納スペースが確保できず足りなかったという失敗例も。特に3階建ての家では階段が多い分、階段下のデッドスペースが生まれやすくなってしまいます。
→対策と工夫
収納スペースを確保するためには、まずは持ち物の数や種類を把握して本当に必要なものだけに厳選すること。物の量が多いと、収納スペースがどれだけあっても後々足りなくなってしまうはず。3階建ての家では階段がどうしても多くなってしまうため、階段下のデッドスペースを有効活用するのがおすすめです。
各部屋に収納スペースを作るのではなく、家の中に一つファミリークローゼットを確保したり、ロフトや屋根裏を活用するなど、さまざまな工夫ができます。
・地震の揺れに弱い
3階建ての家は高さがある分、地震の揺れに弱いというデメリットがあります。実際に住んでみると、地震だけではなく強風や、近くを通る車やトラックによる振動だけでもかなりの揺れに感じられることも。
面積と高さのバランスが悪かったり、1階にガレージがあったりすると特に揺れを感じやすいと言われています。
→対策と工夫
耐震性の高い設計にすることはもちろん、免震装置や制震装置など、家を建てる段階でできる限りの対策を行うことで安心して生活することができます。
家に住み始めてからの対策としては、家具の転倒防止対策、重いものを2階や3階におかない、など各自でできる工夫を行うようにしましょう。
◼ まとめ
都心部では3階建ての家を建てることも多いと思いますが、住み始めてから「失敗した…」と感じられることも。家を建てる前に失敗例と対策を把握しておくことで、失敗する確率を下げることができます。
ホームスタイリングでは3階建ての家の建築実績もありますので、事例なども参考にしてみてください。気になる事例がありましたらぜひお気軽にご相談ください。