建ぺい率とは?角地緩和とは?土地探しで知っておきたいこと
家を建てる際、家自体のプランはもちろんですが、土地探しも家づくりの重要なポイントです。土地の広さと家の大きさは勝手に決められるわけではなく、快適性や安全性が考慮された規制が設けられています。その代表格といえるのが「建ぺい率」。土地を購入したはいいが、規制によって予想よりも狭い家になってしまう…といったことのないようにしたいですよね。そこで土地探しにおいて重要なポイントとなる「建ぺい率」と「角地緩和」について詳しくご紹介します。
◼ 建ぺい率とは
建ぺい率とは、敷地面積に対して家を建てる面積の割合のこと。計算式としては、「(建築面積÷敷地面積)×100=建ぺい率(%)」となります。例えば150㎡の敷地に75㎡の家を建てる場合、建ぺい率は50%。せっかく購入した土地をできるだけ家の建築面積に充てたいと思う人もいると思いますが、建ぺい率が高すぎることでデメリットも生まれます。例えば風通しが悪くなったり防災面で不安が残ったり…。家で快適に過ごすためにも建築基準法を守って家を建てることには意味があります。
・地域によってパーセンテージが変わる
建ぺい率を算出する計算式をご紹介しましたが、地域によってパーセンテージが異なることがあります。地域ごとに都市計画が異なり、同時に用途地域によって建ぺい率の制限も変わってくるためです。用途地域について、詳しくはこちらをご覧ください。
第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域は、建ぺい率が30~60%、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域は60%、近隣商業地域、商業地域は80%、準工業地域、工業地域は60%。用途地域によって周辺環境が異なることはご紹介したコラムにも記載していますが、それだけではなく建ぺい率も変わってきます。どちらも考慮した上でバランスを考えて地域を選ぶ必要があります。
・建ぺい率と容積率の違い
建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合のことであるとご紹介してきましたが、一緒に聞く言葉で「容積率」というものがあります。建ぺい率が平面的な広さを制限するものであるのに対して、容積率は敷地面積に対する空間的な割合を制限する基準。計算式は「(延床面積÷敷地面積)×100=容積率(%)」。容積率には延床面積が関わってくるため、1階部分の床面積+2階部分の床面積を合わせた面積で計算を行います。容積率によって何階建ての家が建てられるかが変わってきます。
容積率による制限が必要な理由は、人口が増えすぎないことが一つあげられます。インフラ整備が完全ではないエリアで容積率の割合を高くしてしまうと、階段が多い家がたくさん建って人口が増加しすぎてしまうことが考えられますよね。そうすると処理能力が追い付かずに住みやすい街とはいえなくなってしまうためです。容積率も用途地域によってパーセンテージが異なります。第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域は50~200%、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域は100~300%、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域は200~400%、商業地域は200~1000%、準工業地域、工業地域は200~400%となっています。
◼ 建ぺい率の緩和条件
建ぺい率と容積率によって家の設計が大きく異なってくることが分かりました。理想の家を建てるためにも、建ぺい率を緩和させられる条件をご紹介します。
・角地
今回メインでご紹介したいのが角地による建ぺい率の緩和。角地とは2つの道路が交差する角の部分にある敷地のことをいいます。敷地が角地にあり、且つ特定行政庁が定めた条件を満たしていれば建ぺい率の限度が10%加算されるというもの。計算上建ぺい率が50%の敷地でも、緩和条件を満たしていれば60%まで建築できることになります。角地緩和については後ほど詳しくご紹介します。
・防火地域や準防火地域
防火地域や準防火地域において、防火性の高い家を建てることによっても建ぺい率を緩和することができます。防火地域内に建てることを前提として、耐火建築物か延焼防止建築物のいずれかを建てる場合は建ぺい率の限度が10%加算されます。指定建ぺい率が80%の地域では、敷地内の建物が耐火建築物であれば建ぺい率の限度がなくなります。建ぺい率100%の、敷地全体を建築物で覆うような家も建てることができます。
準防火地域において、敷地内の建物が耐火建築物、延焼防止建築物、準耐火建築物、準延焼防止建築物のいずれかである場合も、建ぺい率の限度が10%加算されます。都市部には準防火地域に指定されている地域が多いため、狭い敷地に家を建てる人にとっては嬉しい緩和条件だといえます。
・裏ワザ
できるだけ購入した土地いっぱいに家を建てたいというとき、建ぺい率を高めることはもちろん、建築面積を減らすことも有益です。例えばバルコニーやひさしなど、家の壁よりも外側に突き出している部分は1m以内であれば建築面積に含まれません。他にもポーチや外階段、外廊下、屋根のない中庭なども同じく建築面積に含まれないため、建築面積を減らせるような設計を行うことも裏ワザとして知っておくと良いでしょう。
◼ 角地緩和について
家を建てる敷地が角地に当たる場合、建ぺい率の限度が緩和されることをご紹介しました。緩和が該当する土地、緩和のための条件、注意点についても頭に入れておきましょう。
・緩和が該当する土地
角地緩和が該当する土地は、角地にありそれぞれの道路と敷地が2m接している敷地のこと。また接しているのが道路ではなく、公園や広場といった場所であっても建ぺい率の緩和が適用できることがあります。緩和が適用できるかどうかは行政や検査機関と協議する必要があるため注意が必要です。また交差した2つの道路ではなく、2つの道路に囲まれた敷地も角地と同じように緩和が適用されることがあります。
・角地緩和のための条件
角地緩和が適用されるための具体的な条件としては、敷地が角地にありそれぞれの道路と敷地が2m以上接していること、特定行政庁が定めた建築基準法施工細則を満たすこと。インターネットで地域ごとの建築基準法施工細則を見ることができるため、購入を検討している土地を検索してみてください。
・隅切りに注意
特定行政庁ごとに隅切りという制限も設けられています。隅切りとは、道路に接する角地の角を切り取って道路にすること。交差点において見通しを良くしたり、車が曲がりやすくしたりするのが目的です。角地は隅切りが必要な代わりに角地緩和として建ぺい率の限度が10%加算されるため、隅切りがデメリットに感じない人にとっては嬉しい緩和だといえます。
◼ まとめ
マイホームの検討や土地探しを行っていると、「建ぺい率」や「容積率」という言葉を耳にすることもあるかもしれません。建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合のことをいい、家の設計にも大きく関わってきます。建ぺい率を緩和するためには、角地緩和や防火地域による緩和、建築面積を減らすといった方法を選ぶことができます。角地は隅切りに注意が必要ですが、開放感がありながら建ぺい率も緩和されるのでおすすめの土地だといえます。
ホームスタイリングでは、お客様のご要望に寄り添った注文住宅の設計を行っています。マイホームを購入する際には土地に関して不安な点も多いかもしれませんが、ホームスタイリングでは土地探しに関するお手伝いも行っております。土地探しや住宅ローンの金利優遇、土地活用の事例など、土地に関して気になることがあればお気軽にお問い合わせください。家づくりに関しても明確なコンセプトをもとに設計を行っておりますので、横浜と湘南で注文住宅の設計をご検討の際はぜひご相談ください。