ペットと暮らすための家を建てるには
ペットを飼っている人にとって、ペットは家族の一員です。新築で家を建てる際、ペットを飼っている場合は「ペットと暮らす家」として家族みんなが快適に暮らせる家を作りたいですよね。ペットを飼っている人のうち4割強が犬、4割弱が猫を飼っているといわれています。他にもハムスターやうさぎ、魚類、鳥類などさまざまなペットが考えられますが、家の中で人間と一緒に生活するという観点からして、ここでは主に犬と猫についてご紹介します。ペットと暮らす家を建てる前に知っておきたいペットのこと、ペットと暮らすためのポイント、ペットの中でも飼っている人が多い犬や猫と暮らすための工夫についてご紹介します。
◼ ペットと暮らす家を建てる前に
ペットと暮らす家を建てる前に、ペットにどういう習性があるのかを知り、生活する上でペットにしてあげたいことを事前に考えておきましょう。人間と一緒に生活するペットにとって、家の中での生活でストレスを感じてしまうこともあるかもしれません。思い込みからストレスを与えることのないよう、まずはペットのことをしっかり知ることが大切です。
・ペットの習性を知ろう
ペットと暮らす家を建てる前に、ペットの習性を知っておきたいものです。ペットの健康面や安全性に配慮することももちろん重要ですが、習性を知った上で家を作るとペットも快適に暮らすことができることでしょう。特に家の中で人間と一緒に生活することの多いであろう犬と猫の習性についてご紹介します。
犬は一般的に好奇心旺盛でお散歩が大好き、狭いところが安心するといった修正を持っています。夏の暑さが苦手で、家族と一緒でない状態でお留守番することに不安を感じる犬が多くいます。また寂しさやストレスから遠吠えをすることもあるため、家を建てるときには周囲の環境に配慮することも必要です。
猫は犬と比べて自由でのんびりしているイメージがありますが、1日のうち15時間ほど寝て過ごすことがその理由かもしれません。また猫は高いところや狭いところが好きで、家のいろいろな場所で爪とぎをします。猫が気に入るような場所や爪とぎできる場所を作ってあげると猫も安心して生活できることでしょう。
・ペットにしてあげたいこと
家を建てる際に、どのようなことをペットにしてあげたいかということも考えておくと、ペットとの楽しい生活を送ることができます。例えば室内犬でも家の中でたくさん運動をさせたい場合、敷地内で走り回れるようなドッグランを作ったり、家の中で走り回れる回遊動線を作ったりすることができます。ペットが窓から外を眺めるのが好きな場合、犬の目線の高さに窓を作ってあげると喜ぶかもしれません。危険なキッチンには入れないようにしたい場合、ペットゲートを作ると立ち入り禁止にできます。
猫に家の中で退屈しないようにさせたい場合、猫専用の通路を作ると自由に移動することができます。ひなたぼっこさせてあげたい場合は、窓辺に猫専用のスペースを作ってあげると存分に日光浴ができます。このようにペットによってしてあげたいことの内容も違うと思いますが、家を建てる前に考えておくだけでもペットにとって快適に生活を送れることでしょう。
◼ ペットと暮らすためのポイント
ペットと暮らすためにはどのようなポイントに気を付けたら良いのでしょうか。家を建ててからでも対策できることは後からでも良いですが、家の構造に関わる部分は早めに検討することが大切です。
・階段の傾斜
犬や猫といったペットと一緒に暮らす場合、階段の傾斜を緩やかにするとペットに対して親切な設計だといえます。急な傾斜だと柔らかい肉球に負担がかかったり、飛び降りたときに足腰に衝撃が加わったりするためです。傾斜を緩やかにすると段数が増えてしまうため人間にとってデメリットに感じられるかもしれません。しかし階段の傾斜が緩やかであることは、妊娠中の方やお子様、高齢の方の上り下りも安心です。今は必要ないと思われる場合であっても、将来のことを考えると緩やかに設計しておいて問題はない場合もあるかもしれません。
・床材
家の床に使われることの多いフローリングは、ペットが歩くと滑ってしまうことがあります。犬や猫がフローリングで滑ると、大きなけがにつながってしまう可能性も。人間にとって危険に感じられないことであっても、ペットにとっては生活に支障が出るポイントであることを認識しておきましょう。ペットに負担をかけない床材としては、ペット向けのフローリングやコルク材を選んだり、ペット向けのコーティングをすることをおすすめします。
・転落防止
猫は高いところが好きなことが多いですが、犬は高いところが苦手なことが多いです。そのため犬を飼っている場合、階段にペットフェンスを設置するなど転落防止の対策を行うようにしましょう。またバルコニーやベランダのフェンスには隙間があることも多いですが、人間は通り抜けられない隙間でも、体が小さいペットにとっては転落の危険となるかもしれません。隙間の幅を検討したり、家を建てた後であれば目隠しを使用するなどリスクを回避するようにしましょう。
また猫は高いところが好きなため対策が必要ないと思われるかもしれませんが、高いところが好き故に危険なところに登ってしまうことも考えられます。猫の転落を防止するためのネットを設置するなど、状況に応じて対策をすると良いでしょう。
・植物
家を建てるときにお庭を作ったり、ガーデニング用のスペースを作ったりしたいと考えている人もいるかもしれません。お庭や敷地内でペットを走り回らせられると健康的に過ごせるのではないかと思う人も多いはずですが、お庭に植物を植えたりガーデニングをしたりする場合、植える植物には気を配らなければなりません。例えばお庭に植えることの多いチューリップやスイセン、スズラン、シクラメンなどはペットにとって危険な植物です。家の中に観葉植物やお花を置こうと考えている場合にも注意が必要です。
・プライベート空間
慣れている家族であっても、ペットにとって人間と24時間一緒に過ごすのはストレスに感じることもあります。基本的には人間のことが好きですが、一人になれるプライベート空間があるとペットも安心するかもしれません。寝るときや排泄するときなど、ペットによってそのタイミングはさまざまですが、一人になりたいときにプライベートを守れるような空間を作ってあげると良いでしょう。
◼ 犬と暮らすための工夫
犬と暮らすためには、どのような工夫をするとペットも飼い主も快適に生活できるでしょうか。お互いにとってストレスのかからないような家づくりをするための工夫をご紹介します。
・お散歩後に足を洗う場所
犬の種類や性格によって頻度や所要時間は異なりますが、散歩は準備や後片付けが大変なのでスムーズに動けたら嬉しいですよね。お散歩に必要なものをまとめて置いておけるような収納を作ったり、お散歩後に足を洗う専用の場所を作ったりするとスムーズに動くことができます。
・庭とフェンス
犬が自由に動き回れるようなスペースを作りたいと思う人も多いはず。スペースがあればドッグランがあるに越したことはないかもしれませんが、スぺースがない場合はお庭で少し動けるだけでも犬にとってはストレスを発散できます。その際注意したいのが、フェンスや柵、門の扉を設置するということです。犬が脱走しようとしたり、外に出られるのが嬉しくて道路に飛び出たりするのを防ぐためにも必ず設置するようにしましょう。
・トイレ
犬を飼うときは決めた場所に排泄するようトイレを決めることでしょう。寝る場所の近くで排泄するのを嫌がる犬の気持ちを考え、落ち着いて排泄できるような場所に設置するようにしましょう。
◼ 猫と暮らすための工夫
猫と暮らすためには、家づくりの際にどのような工夫が必要なのでしょうか。猫の習性を考慮した工夫をすることで、家への負担も少なく済みます。家づくりの前に工夫する項目を確認しておきましょう。
・キャットタワー
高いところが好きな猫のために、賃貸でもキャットタワーを設置している家もあります。猫と暮らす家を建てる際には、設計の段階からキャットタワーを組み込むこともできます。キャットタワーが家に馴染むので、雰囲気を壊すこともありません。
・猫だけのテリトリー
猫は基本的に単独行動が好きな特性があります。一匹だけの場合は猫のプライバシーを守れるような空間、複数の猫を飼っている場合はそれぞれがプライバシーを守れるような空間を作ることがおすすめです。
・爪とぎへの対策
猫は爪とぎをする習性がありますが、直すことが難しい上にやめさせると猫にとってストレスになることもあります。そのため猫に爪とぎをやめさせるのではなく、人間が家を守るための対策を行うことが大切です。猫が気に入った場所を麻縄やパネルで保護したり、予め猫の爪とぎ専用の柱を作ったりすると良いでしょう。
◼ まとめ
ペットを飼っている人は、家族であるペットと人間がお互いに気持ちよく過ごせるような家を作りたいと思うことでしょう。今回は飼っている人の割合が高い犬や猫についてご紹介しました。家づくりのはじめに、ペットの特性を知った上でペットにしてあげたいことをあげていきましょう。ペットと暮らすための家を作るポイントや工夫を考慮した上で、快適に過ごせる家を作りましょう。
ホームスタイリングは横浜と湘南で注文住宅の設計を行う会社です。お客様の家族構成や立地、予算を考慮した上で、住み始めてからのセキュリティも考えた家づくりをご提案致します。横浜と湘南で「ペットと暮らす家」をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。