ガレージハウスを建てる目的と注意点
マイホームの購入を考えていると、ガレージハウスという言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。都心部に家を建てる場合は、車を停められる場所を確保するのが難しいこともあるため、やむを得ずガレージハウスを選択することもあるかもしれません。逆に車が好きで、車を近くに感じたいという思いからガレージハウスを選択することもあるはず。実際に住むことを想定すると、ガレージハウスはどうなのだろう?と思う人のために、ガレージハウスの特徴や選ぶ目的、注意点などをご紹介します。
◼ ガレージハウスとは
ガレージハウスという言葉を耳にしたことがある人も多いかもしれませんが、具体的にどのような家のことをガレージハウスといい、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
・ガレージハウスの特徴
ガレージハウスとは、車を停めるスペースを家の中に確保する形態の住宅のことをいいます。「ガレージハウス」以外にも「ビルトインガレージ」や「インナーガレージ」と呼ばれることもあります。ガレージハウスは、家の一階部分の全体または一部をガレージとして使用する間取りが一般的です。広い土地がある地域では、家の近くに駐車場を用意したり、家とは別にガレージを建てたりすることもできますが、都心部のように土地を広く使うことができない場合もあります。そういったときに1階部分をガレージ、2~3階を居住スペースとする形態が多くなっています。
・メリット
車を停められる場所というと、家の敷地内に駐車スペースを用意したり、近隣に駐車場を借りたりといったことが多いはず。家と車に少しでも距離があると、雨の日に乗り降りするときに濡れてしまいますよね。ガレージハウスは家との距離が近いどころか、家の中にくるまを停めているため乗り降りの際に濡れることがありません。お子様がいるご家庭や荷物の多いときに塗れずに乗り降りできるのは大きなメリットだといえるでしょう。
またガレージハウスでは屋根やシャッターで車を雨風から守ってくれます。車の色によっては、屋外に停めることで色褪せてしまうこともあります。車が好きな人にとって、車が雨で汚れたり紫外線で色褪せたりといった心配がないのもメリットとなるはず。屋内に車を停めることで、盗難や損傷といったリスクからも車を守ることができるなど防犯面でも安心です。
・デメリット
駐車スペースを確保しにくい都心部で選ばれることの多いガレージハウスですが、間取りにガレージを組み込むことで居住スペースが限られることがデメリットとしてあげられます。ガレージ部分は建ぺい率や容積率にも算入されるため、その分居住スペースとして使用できる面積が削られてしまいます。その分、2階建てではなく3階建てにすることでデメリットを補うことはできますが、階段が増えてしまうことに注意が必要です。
またガレージハウスは車を出し入れできる広さの間口が必要です。一般的な家よりも設計や工法に制限が出ることが多いため、強度を高めるために費用がかかる傾向にあります。3階建てにすることで土地代を抑え、ガレージを間取りに組み込むことで駐車場代を浮かせることはできますが、その分建築費用がかかることを頭に入れておくようにしましょう。
◼ ガレージハウスの目的
ガレージハウスの特徴やメリットとデメリットをご紹介しました。駐車場の確保が難しい都心部で選ばれることの多いガレージハウスですが、実用性の面だけではなく他にも選ばれる理由があります。ガレージハウスが気になっている場合はぜひ参考にしてみてください。
・実用性
都心部でガレージハウスが選ばれることが多い理由として、駐車場の確保が難しいことや土地代を抑えられることをご紹介しました。都心部では電車やバスなど公共交通機関の便が良く、車を所有する必要がない場合もあります。しかし家族構成やライフスタイルによっては、車があった方が生活しやすい人ももちろんいます。そういったときに便利なのがガレージハウス。ガレージハウスのメリットでもご紹介した通り、雨に濡れずに乗り降りできたり、お子様や荷物の乗せ下ろしが楽だったりという特徴があります。車が必要なご家庭、お子様がいるご家庭、まとめ買いが多いご家庭などでは実用的な目的でガレージハウスが選ばれています。
・車が好きな人の趣味として
車が好きな人にとって、雨風や紫外線から車を守ることができるのはガレージハウスの大きなメリットであることでしょう。しかしそれだけではなく、趣味の空間を作るためにガレージハウスを建てることも。好きな車を近くに置いておくことができ、インテリアの一部として楽しむことができます。設計の仕方によってはリビングからガレージが見えるようになっていて、ソファに座って車を眺めたいという希望を叶えることもできます。
また車が好きな人はもちろん、ガレージ内にアウトドアグッズやサーフィングッズなど、他の趣味のものを置いておく空間としても使用できます。ガレージ部分に十分なスペースを割けるのであれば、ロフトを設けたり書斎にしたりと使い方は自由自在です。このように実用的な目的はもちろん、趣味の空間としてガレージハウスを建てる人もいます。
◼ ガレージでの注意点
車を所有しながら都心部で家を建てようと思っている人、車が好きな人は、ガレージハウスに魅力を感じている人も多いかもしれません。ガレージハウスを建てると、一般的な家にはない注意点を頭に入れておく必要があります。実際に家を建てる前に行っておきたい、ガレージでの注意点をご紹介します。
・停める車の台数やサイズ
ガレージハウスを建てるときには、当然のことですが停める車の台数やサイズを事前に確認する必要があります。家を建ててから入らないといったことになってはガレージハウスの意味がありません。また現在は車を一台しか所有していなかったとしても今後二台に増える可能性があったり、大きいサイズの車に買い替える可能性があったりする場合は注意が必要です。将来設計まで考え、家族で共有した上で決定するようにしましょう。
・騒音対策
家の中にガレージがあるということは、車を出したり停めたりするときに居住スペースにまで音が聞こえてくることがあります。朝早い時間や夜遅くに車を使用することが多い場合、家族の睡眠を邪魔してしまう可能性も。ガレージと寝室が隣り合っていたりする場合は特に注意が必要です。実際に住むまではどのくらいの音がするのか分からないこともあるかもしれませんが、間取りを決める際には騒音対策もしっかり行うようにしましょう。
・排気ガス対策の換気設備
騒音問題と同様、車からの排気ガス対策も考えておく必要があります。自然換気ができるような設計、換気扇の設置など、健康のためにも対策は必ず行うようにしましょう。ガレージ内で車のお手入れを自分で行いたいという場合、汚れが付着してしまう場合もあるため、ガレージ内の塗装にも工夫が必要になってきます。
・ガレージ内の照明
日当たりや時間帯によっては、ガレージ内が暗くなってしまうこともあります。お子様がいる場合や荷物の乗せ下ろしがあるときに、転倒やつまずきといったケガの可能性も。暗い状態で乗り降りするのではなく、安全のために暗さを解消する窓や照明を考えておくようにしましょう。
・セキュリティ対策
ガレージハウスにはシャッターがある場合とない場合があります。シャッターがあって鍵が閉まるようになっていれば安全ですが、外から車が見えるようになっている場合はセキュリティ対策が必要です。ガレージから家の中に出入りできるつくりになっているときには特に外部からの侵入を防げるような対策を行うようにしましょう。
◼ ガレージハウスにあると便利なもの
ガレージハウス特有の注意点をご紹介しましたが、ガレージ内にあると便利なものを知っておくと、生活がより豊かになるかもしれません。ガレージハウスを検討している場合はぜひ参考にしてみてください。
・自動照明
ガレージ内では照明に注意が必要であることをご紹介しました。車を出し入れするたび照明のスイッチを押すことが面倒に感じられて、照明をあまり使わないといったこともあるかもしれません。それでは照明を付けている意味がなくなるため、自動照明にしておくことで安全性を確保することができます。
・鏡
ガレージハウスでは、駐車スペースが車のサイズギリギリという場合もあるかもしれません。そうでなかったとしても、ガレージ内に鏡を設置することで安全に駐車することができます。お子様の乗せ下ろしがある場合にも、鏡で車の近くにお子様がいないかどうかを確認してから動かすことができます。また家を出る前の身だしなみをチェックすることもできるため、鏡をガレージ内に設置すると便利だといえます。
・収納スペース
冬タイヤや車のお手入れ道具、アウトドアグッズなど、ガレージに置いておくことで便利なものがたくさんあります。ガレージ内にそのまま置くのではなく、収納できるスぺースを作っておくことですっきりさせることができます。
◼ まとめ
マイホームの購入を検討している場合、ガレージハウスという言葉を耳にしたことがある人も多いはず。生活で車が必要な場合や車が好きな人にとって、家と駐車スペースがつながっていると魅力に感じられる要素がたくさんあります。メリットは雨の日に塗れずに済む点や車の守ることができる点、家の中から車を眺められる点など。その一方で建築費用が高いことや居住スペースが限られるデメリットもあります。それぞれ考慮した上で選ぶようにしましょう。
ホームスタイリングは横浜と湘南で注文住宅の設計を行っている会社です。ガレージハウスの建築事例もありますので、横浜・湘南で注文住宅を検討している方はぜひお気軽にご相談ください。