小さい中庭のある家の魅力|狭い中庭・坪庭のメリットとデザイン・間取り実例
一軒家を建てるなら、広いお庭や中庭のある家が欲しいとお考えの方も多いと思います。
でも、敷地の面積や立地条件によって、思った広さのお庭が確保できない…とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
今回は、限られた敷地面積の家でも実現できる「小さい中庭」や「坪庭」について、設置するメリットや魅力を解説します。
ホームスタイリングで施工させていただいた、小さくても採光や通風などの機能性も抜群、おしゃれなデザインの中庭の実例もご紹介しますので、家づくりの参考にしてくださいね。
Contents
■ 住宅に小さい中庭をつくるメリット
中庭のある家は、敷地に余裕がないと難しいと思っていませんか?
間取りの工夫次第で、狭い敷地でも室内に光や風を届け、外とのつながりを感じる小さな中庭を作ることは可能です。
一軒家で小さめの中庭をつくるメリットをまとめてみます。
メリット①:都市部や変形地でも採光と通風を確保できる
庭を広く取れない敷地では、南道路の好条件の敷地でも、リビングと道路の距離が近くなってしまいます。そのため、大きな窓が作りにくいなど、プライバシーと採光の両立が難しいことがあります。
そんな時、小さい中庭を利用すれば、リビングなどの室内に日当たりや風通しを確保できます。
小さめの中庭は「坪庭」と呼ばれることもあります。坪庭は、日本の間口が狭く、奥行きが長い京都の一般庶民の町家に、寺社や武家屋敷などの日本庭園を取り入れる形で発展してきたと言われています。
小さな中庭は、住宅が密集している敷地や細長い形の敷地など採光や通風が取りづらい敷地で建てる家にとって、家の中に光を取り込むためにとても有効な間取りです。
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メリット②:パティオなどおしゃれな空間に仕上げやすい
小さめの中庭は、庭の床面積が少ないので、流行のパティオ(スペイン風の中庭)などのデザインにも予算を抑えながら挑戦できます。
中庭の床に高級感のあるタイルやウッドデッキを使い、様々な植物で囲めば、自分だけの小さな癒しの空間をつくれます。
小さめの空間だからこそ、インテリアデザインをまとめやすく、おしゃれに仕上げやすいのがメリットです。
メリット③:お子さまやペットの安全なくつろぎスペースに便利
ほどよい囲まれ感のある小さい中庭は、お子さまや犬・猫などのペットが安心して過ごせるスペースとしても重宝します。
小さなスペースでも外の光や風を感じられることで、気分転換やストレス解消にもなります。
メリット④:室内空間に広がり・奥行きが感じられる
中庭や坪庭によって、外とつながる空間ができるため、室内から見て広がりや奥行きを感じられるようになります。
中庭から取り込まれる光とや見える風景と相まって、明るく開放感のある室内空間を演出できます。
メリット⑤:小さい庭はメンテナンスがしやすい
小さいからこその中庭のメリットは、メンテナンスの手間や範囲も減らすことができる点です。
中庭全体が常に目で確認できるので、デッキやタイル、壁面などの劣化や植栽、草花の状態などもすぐに気づいて適切に対応できます。
「あまり広い庭は管理できるか不安」という方にも、小さめの中庭はおすすめですよ。
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■ 小さい中庭のある家・設計のポイント
・採光が取れる大きさ・建物の高さに注意
小さい中庭や坪庭を計画する時は、中庭から光が入る場所や1日・季節を通した日当たりの変化などをしっかりシミュレーションして、最適な大きさや窓を選ぶのがポイントです。
中庭の窓は天井近くまである大きな掃き出し窓が定番ですが、昼間に光が入りすぎてしまう場合は、地窓(床付近の低い位置に配置する窓)や高窓(天井付近に配置する窓)にして採光のバランスを取る方法もあります。
また、中庭を囲む壁面の高さや、軒の出・ひさしの長さによっても日当たりをコントロールできます。設計担当者と相談しながら、1日・1年を通して有効に機能する中庭を作りましょう。
・メンテナンス方法を考えておく
小さい中庭は、面積や形状、窓や周辺の状況によっては、掃除やお手入れがしにくくなる場合があります。
中庭を作る際は、目的や使い方をはっきりさせた上で、メンテナンス方法や自分でできるお手入れの頻度などをよく考えて、適切な床材や植栽、窓のタイプや大きさを選ぶことをおすすめします。
・小さくても窓の断熱性能はしっかり
中庭は、窓の面積が増える分、窓からの熱の出入りが多くなります。そのため、中庭の窓の断熱性能が低いと、「暑い・寒い」などの不快感をより感じやすくなってしまいます。
年中快適な室内をキープするために、中庭に面した窓は断熱性能の高いサッシや窓ガラスを選ぶのがおすすめです。
■ 小さい中庭のある家・デザインと間取り実例
・プライバシーに配慮した中庭から明るい光が降り注ぐ平屋
平屋の南側に小さな中庭を配置したデザイン事例です。ファザードの中央の壁の裏が中庭になっています。
中庭は、道路からの視線を遮りつつ、LDKに中庭からの明るい光が降り注ぐように設計しました。中庭に面する窓はスリムなサッシを採用。よりガラス面が大きくなり光をたくさん取り込めます。デザイン的にもスッキリとモダンに仕上がりました。
中庭はロの字型で四方が窓ガラスと壁で囲まれています。平屋建ては壁が低いので、ロの字型の中庭でも屋外からの採光が多く取れるのがメリットです。
L字型のLDKは、中庭からの光がキッチンにもまんべんなく行き届きます。
玄関からも中庭の様子を見られます。中庭の床面は高級感がありお手入れしやすいタイルを採用しました。植栽を窓辺に1本配置したシンプルなデザインなので、中庭にテーブルやアウトドアチェアを置いてくつろぐこともできますよ。
・コーヒースタンドのようなおしゃれな中庭のある家
角地に建てたこちらの実例では、隣接する道路からの視線を気にせずに過ごせる、2階に中庭を配置する間取りを採用しました。
2階の小さな中庭に、まるでコーヒースタンドのようなおしゃれなカウンターテーブルとスツールを備え付けました。床のウッドデッキやグリーンと合わせてカフェ風の内装に仕上げています。
晴れた日は中庭で、外の光や風を感じながらコーヒーやランチを楽しめる、贅沢な時間が過ごせるスペースになりました。
>>この施工事例をもっと見る【2階に中庭のあるガレージハウス】
■ まとめ
今回は、省スペースでも家の中にたくさんの光を取り込み快適な室内を実現できる「小さい中庭」の魅力や設計・デザインのポイントについて解説しました。
小さな中庭・坪庭を間取りに取り入れることで、気軽に屋外空間を楽しめるのはもちろん、中庭が屋外の吹き抜けのようになり、室内がとても明るくなります。
メンテナンス・管理のしやすさやおしゃれなインテリアにとことんこだわれるのも、省スペースの中庭ならではの良さです。
限られた面積で広いお庭が作れない場合でも、設計の工夫で室内に風や光を通る家を実現できますので、ぜひ検討してみてくださいね。
今回ご紹介した以外にもたくさんの中庭のある家の間取り事例がありますので、こちらもお時間のある時にどうぞ。
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