吹き抜けリビングのメリットとデメリット
マイホームを建てる際、まずは理想の家を想像しますよね。開放感のある吹き抜けに漠然とした憧れを抱いている人もいるかもしれません。実際にマイホームに採用する際は、理想だけではなく現実的な問題も見なければなりません。知識のないままに吹き抜けを採用するのではなく、メリットとデメリット、注意点を知った上で検討するようにしましょう。
◼ 吹き抜けとは
吹き抜けとは、家の1階部分に天井がなく、2階や3階までつながっている空間のことをいいます。上の階と下の階がつながっていることで空間を広く見せてくれるだけではなく、高級感のある雰囲気を演出することができます。家の中ではリビングや玄関で取り入れられることが多く、マンションのエントランスホール、商業施設などでも採用されることがあります。
吹き抜けのある家に憧れを抱いている人も多いかもしれませんが、吹き抜けを取り入れたからといって必ずしも魅力的な家に仕上がるとは限りません。せっかく取り入れたにもかかわらず見映えが良くなかったり使い勝手が悪かったりすることになってはもったいないですよね。吹き抜けのメリットやデメリットを知った上で、家族のライフスタイルに合っているかどうかを検討してみてください。
◼ 吹き抜けのある家のメリット
吹き抜けを魅力に感じている人も多いかもしれませんが、実際に家に取り入れるときのメリットとしてはどういったことがあげられるのでしょうか。メリットに詳しくない人はもちろん、既に知っている人も改めて確認しておきたい主なメリットを4つご紹介します。
・開放感が生まれる
吹き抜けの一番のメリット、もっと言えば存在意義ともいえる特徴は「開放感」があることです。天井が少し高いだけでも開放感は大きく変わりますが、1階から2階や3階までの空間がつながっている吹き抜けでは更に開放的な空間になります。視界が開けることで、実際の家の広さよりも広く見せる効果も。圧迫感が苦手な人や都市部で狭い土地に家を建てる場合などにおすすめです。
・日当たりや風通しが良い
吹き抜けを作ると2階部分の壁に窓を設置することになるため、高い位置からの光が家の中に差し込みます。一般的な家では家の向きや窓の位置によっては部屋の奥の方までは光が入らないといったこともあるかもしれません。吹き抜けを作ることで部屋全体の日当たりが良くなることもメリットだといえます。
家を建てる際の他の条件にもよりますが、吹き抜けによって風通しが良くなることも。低い位置の窓から高い位置の窓まで風が流れていくため、自然な換気が行われます。家の中の空気を循環させることができると、健康的で快適な生活を送れることでしょう。
・家族の気配を感じられる
吹き抜けによって空間につながりを持たせられるため、家族の気配を感じやすいのもメリット。部屋の一つ一つが完全に分かれている家はプライバシーを守ることができる一方で、家族がどこで何をしているかが分からず距離が生まれてしまいます。それぞれのプライバシーを守りながら、ゆるやかに区切ることで何となく家族の気配を感じられるのが吹き抜けの魅力です。
吹き抜けの廊下部分に机や椅子を設置して書斎のような空間にしたり、子供が遊んでいる様子を眺められるような設計にしたりするとより距離が近く感じられるかもしれません。吹き抜けを採用するかどうかは、今の家族のあり方や将来設計を考慮しながら検討してみてください。
・家がおしゃれになる
吹き抜けを取り入れることで、家の中をぐっとおしゃれに見せることができます。高級感があるだけではなくデザイン性も高いので、おしゃれな家に住みたいという人におすすめです。また吹き抜けのある家ではリビング階段が取り入れられていることが多いですが、リビング階段を設置することで更におしゃれな家にすることができます。
◼ 吹き抜けのある家のデメリット
吹き抜けを取り入れることで開放感や高級感のある家にすることができ、日当たりや風通しの良い快適な家にできることが分かりました。しかし吹き抜けにはデメリットもあります。
・2階のスペースが狭くなる
吹き抜け部分には1階の天井と2階の床を作ることができないため、2階のスぺースが狭くなってしまいます。都市部の狭い土地に家を建てる場合、狭いながらも開放感を得られたり日当たりを確保できたりとメリットもありますが、部屋の数や収納スペースが足りるかどうかを検討する必要があります。
・窓の掃除に手間がかかる
実際に住むまでは気付きにくいポイントですが、吹き抜けを作ると窓の掃除に手間がかかってしまうのもデメリットの一つ。高い位置に窓があることは日当たりや風通しの良さにつながる一方で、掃除をするために足場を組んだり業者に依頼したりする必要があります。業者に掃除を依頼すると費用はかかってしまいますが、高所での作業に自信がない場合は依頼することをおすすめします。
また窓の近くにキャットウォークのような狭い通路を設置すると、自分でも手軽にお手入れすることができます。しかしせっかくデザイン性の高い吹き抜けの見映えが悪くなったり日差しが遮られたりすることに注意が必要です。
・カビが生える可能性がある
吹き抜けの内側に窓があると、結露によってカビが生えやすくなってしまいます。特に北側に吹き抜けを作るとカビが生えやすくなりますが、年に一度のメンテナンスを行うことで対策できます。窓が吹き抜けの外側にある場合はくもの巣や泥、ホコリといった汚れが目立ちやすいことも頭に入れておくようにしましょう。
・臭いや音が漏れやすい
吹き抜けは家の中の空間をゆるやかにつなげることができますが、その分臭いや音が漏れやすい点もデメリット。リビング部分が吹き抜けになっていて、ダイニングとキッチンがリビングとつながっている場合、料理の臭いが2階や3階にも回ってしまいます。家の中の別の場所で部屋干ししているときなどは特に注意が必要です。
間取りや設計によっては、リビングでの話し声やテレビの音が家の他の部屋まで響き渡ることも。家族の気配を感じられるメリットの一方で、お子様が大きくなってプライバシーの確保が必要なときにデメリットとなってしまうかもしれません。物音に敏感な方がいないかどうか、将来どうするのか、など家族で共有して検討するようにしましょう。
・維持費がかかる
吹き抜けにはたくさんのメリットがありますが、メンテナンスが大変で維持費がかかる点もデメリット。照明の交換や窓の掃除などをするたびに足場を組むか業者に依頼しなければならないことがその理由です。リフォームをする際に壁紙を張り替えるだけでも足場が必要なので、年数が経てば経つほど維持費はかかってくることを頭に入れておく必要があります。
また天井がなく階層がつながっていることから、冷暖房が効きにくく光熱費が高くなることも。家の性能が上がって断熱性や気密性に優れている家も増えているため、光熱費が気になる場合は性能の高い家を建てるようにすると良いかもしれません。
◼ 吹き抜けリビングの注意点
吹き抜けリビングを取り入れる際には、どういった点に注意するべきなのでしょうか。住み始めてから後悔することのないよう、注意点にも留意しておきましょう。
・強度を確認する
吹き抜けの家では日当たりを良くするために窓が大きい場合があります。窓が大きいと家自体の強度に問題が出てしまうことがあるため、吹き抜けに合わせた補強を行う必要があります。強度をごまかされてしまうことのないよう、構造計算されているかどうかをしっかり確認するようにしましょう。
・寒さへの対策
家の性能にもよりますが、吹き抜けの家では一般的な家よりも寒く感じられることがあります。冬場に暖房を付けていても暖かい空気は上に逃げてしまうため、リビングはなかなか暖まりにくい作りになってしまいます。断熱性や気密性に優れていれば問題ありませんが、寒さが気になるようであれば床暖房を設置するなどの対策を考えるようにしましょう。
・メンテナンスの計画
吹き抜けを取り入れると、吹き抜けならではのメンテナンスが必要です。照明の交換や窓の掃除を手軽にできないため、自分で足場を組んだり業者に依頼したりしなければなりません。壁紙の張り替えだけでも足場が必要なので、リフォーム費用もかさんでしまいます。業者に依頼するメンテナンスの頻度を事前に想定しておくなど、計画的にメンテナンスを行うようにしましょう。
◼ まとめ
吹き抜けのあるリビングに憧れを抱いている人も多いかもしれませんが、実際にマイホームに取り入れる前にメリットやデメリットを知っておきたいものです。吹き抜けとは1階から2階や3階までつながっている空間のことをいい、リビングや玄関で取り入れられることが多くなっています。吹き抜けがあると開放感が生まれ、実際の広さよりも家の中を広く見せることができます。日当たりや風通しが良く、家族の気配を感じられるといったメリットもあります。その一方で2階のスぺースが狭くなってしまうこと、お手入れが大変であること、臭いや音が漏れやすいことがデメリット。メリットとデメリット、注意点を考慮した上で吹き抜けを取り入れるかどうかを検討してみてください。
ホームスタイリングでは、吹き抜けのある家の施工経験があります。お客様のご要望をお聞きした上で、お客様の夢や思いにお応えできるようなプランをご提案致します。吹き抜けのある家に関して気になる点がある方や、横浜や湘南で注文住宅をご検討の方はぜひお気軽にお問い合わせください。