人気のシンプルな家|特徴と注意点を知っておこう
シンプルな家と聞くと、どのような家をイメージしますか?一言でシンプルといっても、人それぞれイメージする家の形や特徴は異なることでしょう。一般的には素材を活かしたり余計な意匠を削いだりしたようなデザインが多く、洗練された家にしたい人におすすめです。シンプルな家を建てるメリットとデメリット、注意点をご紹介します。家づくりの参考にしてみてください。
◼ シンプルな家の特徴
漠然と「シンプルな家を建てたい」と思っている人は多いかもしれませんが、家を建てる際にはもう少し具体的なイメージをする必要があります。シンプルな家といっても人それぞれイメージする家には違いがあるため、家を建てる際の打ち合わせでイメージを合致させるためにも、建てたい家の特徴を掴んでおくようにしましょう。
・単純な形状
住宅街を見渡すとさまざまな形の家がありますが、シンプルな家は形状が単純である点が一つ目の特徴です。例えば、四角い箱のような形や凹凸のない形、絵で家を描くときのような三角屋根が乗った形など。凝ったデザインの家もおしゃれですが、無駄のないデザインに惹かれる人には単純な形状のシンプルな家がおすすめです。
・白や黒
シンプルな家は色も珍しいものではなく、白や黒が選ばれることが多いのも特徴です。白の外壁は清潔感があり、パッと見たときに明るい印象を与えます。白の外壁は汚れが目立ちやすいことや光が反射しやすいため近所の家に反射光が入ってしまう可能性があることを頭に入れておく必要があります。
黒の家は白と比べると大人なかっこいいイメージの印象になります。黒一色だと暗く見えてしまいがちなので、木目をアクセントにしたり白やグレーとのツートンカラーにしたりするとおしゃれさがアップします。外壁に黒を選ぶ際には、熱を溜め込みやすいことや周りの家との調和に配慮することに注意が必要です。
・無機質なイメージ
シンプルな家は無駄のないデザインであることが多いため、無機質なイメージがあることも特徴の一つです。外観も白や黒の単色であったり、無彩色の組み合わせであったり、コンクリートの打ちっ放しが使われていたりすることもその理由としてあげられます。外観は無機質でも、家の中は温かみのあるナチュラルな家具を置くといったギャップを打ち出す場合もあります。
◼ シンプルな家の屋根
屋根にはさまざまな形がありますが、どのような形の屋根をシンプルと感じるのでしょうか。シンプルな家でよく使われる屋根の形である陸屋根と片流れ屋根、三角屋根の3種類をご紹介します。
・陸屋根
陸屋根とは屋根の上が陸のように平らになっている形状のことをいい、平屋根とも呼ばれることがあります。ビルやマンションといった高層の建物では一般的な形状ですが、最近ではスタイリッシュな見た目から一戸建ての住宅でも選ばれることが増えてきています。陸屋根は屋根が平らであることから屋上バルコニーとして使うことができます。都心部でお庭を作ることができないときに屋上でガーデニングなどを楽しむことも。そういった使い方をしたい場合は相応の構造が必要になることに注意が必要です。
勾配のある屋根よりもメンテナンスが簡単というメリットもありますが、水はけが悪く雨漏りしやすいのがデメリット。しっかり防水処理をするなどの対策が必要です。また勾配のある屋根では屋根と天井の間に空間ができますが、空間がない陸屋根では最上階の温度が上がりやすくなります。見た目の良さはもちろんですが、これらのメリットとデメリットを考慮した上で屋根の形状を決めるようにしましょう。
・片流れ屋根
片流れ屋根とは、一方向にだけ傾斜がある屋根のことをいいます。雨が降ったときに雨が片方にだけ流れることからこのように呼ばれています。シンプルながら個性的な印象も与えることから人気の屋根の形状の一つです。屋根の傾斜を緩やかにすることで屋根と天井の空間を狭くできるため、居住スペースを広げることができたり建築コストを下げることができます。太陽が当たる方角に傾斜を付けることで太陽光発電パネルの設置場所としても有効です。
屋根の傾斜が片側にしかないため、日当たりの良い時間帯に制限を受けること、屋根にしっけがこもる可能性があることがデメリット。また片流れ屋根は雨漏りしやすい特性を持つため、定期的に点検やメンテナンスを行う必要があります。
・三角屋根
三角屋根とは、日本で昔から親しまれている切妻屋根のことです。切妻屋根とは、二面の屋根を最頂部でつなぎ合わせた山のような形状の屋根のことをいいます。屋根のない「妻」の面を正面にすると開けた印象の家にすることができます。三角屋根はシンプルな構造なのでコストを抑えることができ、雨漏りしにくいといったメリットもあります。雪が降る地域では、屋根に雪が積もりにくいのもメリットの一つです。切妻屋根の妻側は屋根がなく外壁が雨風にさらされやすい状況なので、劣化が進みやすいのがデメリット。
◼ シンプルな家のメリットとデメリット
シンプルという言葉を聞いたときに、魅力的に感じる人もいれば味気なく感じる人もいるかもしれません。無駄のないつくりのシンプルな家を建てたい人にとって、メリットやデメリットが気になることでしょう。シンプルな家を建てることにはメリットやデメリットがあるのでしょうか。
・メリット
テイストにこだわって家を建てると、年数が経つにつれて飽きてしまう可能性があります。飽きたからといって気軽に家を買い替えるのは現実的ではなく、外壁の色や家具を全て変えてしまうのも難しいですよね。その点シンプルな家を建てると、何年経っても飽きないというメリットがあります。家がシンプルな分、どんなインテリアでも馴染むため家具や雑貨などインテリアを楽しむことができます。
シンプルな家の中でも人気の高い「キューブ型の家」にもさまざまなメリットがあります。屋根に勾配がないデザインは現代風なので、おしゃれで目立ちます。また凹凸が少ないことからデッドスペースが生まれにくく、生活スペースや収納として最大限使用することができます。
・デメリット
シンプルな家といっても形状や構造、材質などがそれぞれ違うため、全てに当てはまるデメリットというのはありません。形状でいうと、屋根が平らな陸屋根では雨漏りしやすいのがデメリットであり、色でいうと白の外壁は汚れやすいのがデメリット。またキューブ型の家のデメリットは、軒先がないため外壁にも雨が当たってしまう点です。雨の音がうるさかったり劣化が進みやすかったりすることを頭に入れておく必要があります。また陸屋根であることと軒先がないことから最上階が暑くなりやすいのもデメリット。
◼ シンプルな家での注意点
シンプルな家を建てる際にはどのようなことに注意したら良いのでしょうか。理想的な家を想像して楽しみにしていても、実際住み始めてから後悔することがあっては残念です。打ち合わせの段階から注意点に留意しながら進めていくようにしましょう。
・機能性も考慮
シンプルな家を建てたいと考えている人の中には、見た目を重要視している人もいるかもしれません。家は一生に一度の大きな買い物であり、一生住み続けるものなので、見た目だけではなく機能性も考慮してプランを考える必要があります。例えば見た目が気に入ってキューブ型の家にしたいと思っていたとしても、実際に住み始めると動線が悪かったり日当たりが良くなかったり、屋上階が暑すぎたりといったことが考えられます。シンプルな家は複雑な間取りではないものが多いですが、考えられるデメリットの対策は十分に行うようにしましょう。
・外壁には丈夫な素材を
シンプルな家は陸屋根や三角屋根が採用されることが多く、これらの屋根を選んだ場合、外壁に直接雨が当たってしまうような形状であることが多い特徴があります。外壁に直接雨が当たると傷みやすく、雨漏りの原因となってしまうこともあります。また外壁よりも出っ張った「軒」があると外壁を守ってくれるのですが、デザイン性の観点からシンプルな家では軒も排除するケースがあります。軒がないと同じように外壁の傷みにつながってしまいます。見た目を妥協して屋根の形状を変えたり軒を付けたりすることもできますが、どうしても気に入った見た目にしたい場合は外壁に丈夫な素材を使用するようにしましょう。
・技術力のある施工会社
シンプルな家は形状が単純であることから、どの施工会社に依頼しても仕上がりは変わらないのではないかと思う人もいるかもしれません。しかしシンプルだからこそ技術力のある施工会社に依頼することをおすすめします。これまでご紹介してきたようにシンプルな家には雨漏りや日当たりといったデメリットもあるため、相応の対策が必要になることもあります。また細かい部分で差が出てくることも考えられるため、施工会社選びは慎重に行うようにしましょう。
◼ まとめ
「シンプルな家」に魅力を感じている人も多いかもしれませんが、実際に建てる前にメリットやデメリットを知っておきたいものです。キューブ型や三角屋根の単純な形状、白や黒といった無彩色、無機質なイメージがあるシンプルな家。シンプル故に飽きがこないことやインテリアを楽しみやすいことがメリットとしてあげられます。その一方で屋根の形状によっては雨漏りが起こりやすく、白の外壁を選ぶと汚れが目立ちやすい点がデメリット。見た目だけではなく機能性も重視し、技術力のある施工会社に依頼するようにしましょう。
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