コートハウスのメリットとデメリット|間取りや施工事例もご紹介
家を建てる際にバルコニーやウッドデッキ、中庭など、外とつながっている空間を作りたいと思う人も多いかもしれません。今回ご紹介する「コートハウス」は、中庭のある家のことをいいます。以前と比べて人気が出てきているコートハウスの特徴は何なのか、そのメリットやデメリットをご紹介します。間取りにも種類があるので、コートハウスを検討している場合はぜひ参考にしてみてくださいね。
◼ コートハウスとは
コートハウスとは一言でいうと中庭のある家のことをいいます。家から出て外の空間とつながっているバルコニーやウッドデッキと違って、中庭は家の外壁や堀などに囲まれている空間です。バルコニーやウッドデッキは、洗濯物を干したり日光浴をしたり、バーベキューをしたりと楽しみ方がたくさんあります。しかし外から見えてしまうのが気になるという人もいるかもしれません。
そういった場合におすすめなのがコートハウスです。コートハウスでは家の中に入ると中庭が広がっているため開放感がありながら、外から見られることがないのが大きな特徴です。中庭は外の空間なので、バルコニーやウッドデッキと同じような使い方をすることができます。外の空気を感じながらもプライベート空間を楽しみたい人にぴったりの設計になっています。
◼ コートハウスのメリット
魅力を感じていたとしても、具体的なメリットが浮かばなければコートハウスを選ぶ決定打にはなりません。本気で検討している場合に知っておきたいコートハウスのメリットをご紹介します。
・プライバシーの確保
都心部や住宅密集地では、隣の家との距離が近いためプライバシーの確保が難しいという難点があります。家の前を歩く人やご近所さんの視線が気になってしまい、カーテンすら開けられないということも。ましてやバルコニーやウッドデッキを作るには難易度が高いですよね。
コートハウスであれば中庭に面した窓のカーテンを開けることができるだけではなく、窓まで開け放ったとしても周りの視線が気になりません。もちろん視線を気にすることなく洗濯物を外干しすることもできますし、バーベキューや中庭でのホームパーティーなどを楽しむこともできます。
小さなお子様がいるご家庭では、家の前で気軽に遊ばせたくても車の通りが気になりますよね。中庭があれば、車を気にすることなくのびのびと外で遊ばせることができます。目の届く範囲で遊ばせながら、家の中で家事を進めることもできます。
・風通しや日当たり
家を建てる場所や向きによっては、風通しや日当たりが悪くなってしまうこともあります。中庭があれば家の中に風の通り道ができるので、冬の換気も気軽に行えます。中庭は一つの部屋だけではなく複数の部屋に面することになるため、家の真ん中に光が差し込みます。自然の光を取り入れられるので、日中の電気代を抑えることにもつながります。
風通しや日当たりが気になる狭小住宅や、隣の家との距離が近い住宅密集地などで採用されることが多くなっています。
・開放感
家の中で気軽に自然の空気を感じることでき、開放感があるのもコートハウスのメリットです。家の中と中庭をつなげる部分に大きい窓を設けることで、風や光をたくさん取り入れることができます。家の中から外を眺めるだけではなく、天気の良い日は中庭に出てまったり過ごすのも素敵な時間です。
また中庭がない場合と比べて、視界が開けるため家全体が広く感じられます。開放感があると明るい気持ちで生活ができることでしょう。
・防犯面に優れている
大きな窓やバルコニーが通りに面していると、外とのつながりは魅力的ですが、防犯面が気になりますよね。コートハウスは家の中に開放感をもたらしつつ、外には閉じた構造になっています。
外から見えるベランダに洗濯物を干していると、家に人がいるかいないかが外から分かってしまいます。しかし干す場所が中庭であれば、外から見えることもありません。外出するときも玄関だけの戸締りで安心です。こういったことから、コートハウスは防犯面にも優れているといえるでしょう。
◼ コートハウスのデメリット
コートハウスには魅力的なメリットがたくさんありますが、デメリットもあります。メリットだけを見てコートハウスを採用し、住んでから後悔するといったことのないようしっかり確認しておきましょう。
・建築費や維持費がかかる
中庭を作ると、中庭がない場合と比べて家の外壁の面積が増えてしまいます。外壁が増えると建築費が高くなってしまうというデメリットがあります。窓が大きくなると強度が低くなるため、強度を確保するためにもコストがかかります。また外壁や窓が多い分、メンテナンスにも費用がかかることを頭に入れておく必要があります。
水はけが悪くなると、中庭に水が溜まったり家の中まで浸水してしまったりする可能性があります。また中庭に面した2階部分の窓を掃除するためには通路が必要です。プランを決める段階で通路を想定していなければ、掃除の度に業者を呼ばなければならなくなってしまいます。
こだわりのある家を建てようと思うと、ある程度のコストは必要になります。せっかく家を建てるのであれば費用ももちろん大切ですが、心から満足のいく家にすることをおすすめします。予算とのバランスを見て、本当に必要な機能・デザインであるかを検討しながらプランを決めるようにしましょう。
・断熱性が低くなる
コートハウスは複数の部屋に中庭が面しているため、外気の影響を受けやすいという特徴があります。日当たりが良いのはメリットでもありますが、夏は暑く感じることもあるかもしれません。その一方で窓が大きいことから断熱性が低く、冬は寒くなりやすいのはデメリットだといえます。二重窓や断熱カーテンを採用するなど、対策を考える必要があります。
・居住面積が狭くなる
家を建てる際には限られた面積の中で間取りを決めていきますが、中庭を作ればそれだけ居住面積が狭くなってしまいます。他のスペースが足りていないにもかかわらず無理に中庭を設置すると、いざ住み始めると動線が悪いといったことも。中庭と他の部屋のバランスを取って間取りを決めるようにしましょう。
ある程度の広さがある敷地に建てる場合は十分な日当たりを確保できる中庭ができますが、条件が悪ければコートハウスの魅力を活かせなくなってしまう可能性もあります。せっかくコートハウスを建てるのであれば、魅力を活かせるような作りにしたいものです。
◼ コートハウスの間取り
プライバシーを確保しながら日当たりや自然の空気を感じられるコートハウス。中庭を設置する場所によって、間取りにはいくつかの種類があります。それぞれ特徴が異なるため、コートハウスを建てたいと思っている人は参考にしてみてください。
・コの字型
コの字型は、文字通りカタカナの「コ」のような形で中庭を設置する間取りのことです。中庭に3つの部屋が面しているため、風通しや日当たりは抜群。外壁で囲まれている面積が広い分、家を建てる場所によっては太陽の光が入らない場合もあります。風の影響を受けやすい家になることのないよう立地が重要になります。
また家の形が複雑であるほどコストがかかるため、外壁の面積や角が多いコの字型では建築費用が高くなってしまうのがデメリットです。
・口の字型
口の字型は漢字の「口」の形で中庭を設置する間取りのことをいいます。中庭を真ん中にして4つの部屋が囲むような形です。ロの字型の大きな特徴は、中庭全体が家の外壁に囲まれているため、外から全く見えることがないという点です。家のどの部屋からも中庭を見ることができるため、家族みんなが外の空間を楽しみたい場合におすすめです。
ロの字型では、中庭を中心にして家の中を一周できる回遊動線ができます。回遊動線があることで家を広く感じることができます。家の中を移動する際に中庭を通ることでショートカットすることができます。部屋と部屋の間の移動距離が短くなり、生活が快適になることでしょう。一方で排水をしっかり計画していなければ、水が溜まりやすくなってしまうデメリットがあります。
・L字型
L字型はアルファベットの「L」の形で中庭を設置する間取りのことです。コの字や口の字と違う点として、中庭のうち家の中に面していない辺がることがあげられます。プライバシーの確保を重要視している場合、中庭が隣の家から見えないような向きに設置する必要があります。コの字型や口の字型よりも外とのつながりが大きいため開放感が欲しい場合におすすめです。
◼ まとめ
バルコニーやウッドデッキとは違って、プライベート空間を楽しむことができるコートハウス。洗濯物を干すことはもちろん、バーベキューや中庭パーティーなどたくさんの使い方をすることができます。
隣の家との距離が近い都心部の家では特に、周りの視線が気になってしまうことも多いはずです。そんなときに中庭があればプライバシーを確保しながら開放感を味わうことができます。一方で建築費や維持費が高くなったり断熱性が低くなったりとデメリットもあることを頭に入れておく必要があります。
コートハウスは一般的にコの字型、口の字型、L字型という3つの間取りから選ぶことになります。それぞれ特徴が異なるため、家を建てる場所や向きを考慮しながら間取りを検討してみてください。
ホームスタイリングでは、お客様の家族構成や予算、ご希望の条件を伺った上で、フリー設計にてプランをご提案しています。家族が集まれる空間を作ること、風と光を取り入れること、空間にゆとりを持たせることをコンセプトとしてします。コートハウスも設計しているので、気になる方はお気軽にご相談ください。