窓が少ない家が増えている?メリットやデメリットを知ろう
マイホームを検討し始めると、まわりの家が目に付くようになりますよね。そうすると窓が少ない家や窓がほとんど見えない家があることに気付くかもしれません。
スタイリッシュな外観になりますが、実際の住み心地としてはどうなのでしょうか。窓が少ない家のメリットとデメリットをご紹介します。
◼ 窓が少ない家のメリット
窓が少ない家と聞くと、どのようなイメージを持たれますか?パッと見の印象と、住み始めてから感じることは案外異なるものです。窓が少ない家のメリットを見ていきましょう。
・モダンでおしゃれな外観
窓が少ない家を見たときに感じた方も多いかもしれませんが、窓が少ないとモダンでおしゃれな外観にすることができます。窓がないことで生活感を感じないからなのでしょうか。家づくりにおいてデザイン性が重要だという方は窓が少ない家を検討してみても良いかもしれません。
・断熱性能が上がる
窓が少ない家では、空気の逃げ道が少ないため断熱性能が上がるのもメリットの一つ。最近は断熱性能の高い窓も増えてきてはいますが、それでも窓があるのとないのとでは断熱性が変わってきます。家の中の温度を一定に保つ快適性を求める方は、窓が少ない家がおすすめです。
・防犯面やプライバシーが守れる
窓が少ないということは、外部から人が侵入する可能性が低いということ。そのため窓が少ない家だと防犯性が高くプライバシーを守ることができます。また外から家の中が見えるということもないため、外からの視線を気にすることなく過ごせるのもポイント。
窓が少なく見える家であっても、道路側に窓が少ないだけで天窓や中庭に面した大きな窓があることも。外の空気を取り入れつつ防犯面やプライバシーを守れるのは嬉しいですよね。
・家具を配置しやすい
大きな窓がある家も魅力的ですが、窓の面積が広ければ広いほど家具を配置できるスペースが狭くなってしまいます。窓が少ないということは部屋に対して壁の面積が広いということ。壁沿いに置くことの多いキャビネットやデスクなどの配置に困らなくて済むこともメリットだといえます。
・費用を抑えられる
家づくりにおいて大きな窓を作ると、その分費用が高くなってしまうことがあります。外壁を作るよりも窓を作る方が費用がかかること、窓が大きい分しっかりした構造にしなければならないことがその理由です。
◼ 窓が少ない家のデメリット
窓が少ない家にはたくさんのメリットがあることが分かりました。実際住むにあたってデメリットもあるため把握しておきましょう。
・日当たりが悪くなりやすい
当然かもしれませんが、窓が少ない家では日当たりが悪くなりやすいのが一番のデメリット。リビングや寝室、子供部屋など人が過ごす部屋では最低限の採光面積が定められているため、それを下回るほどの日当たりになることはありません。
その代わり洗面所やお風呂、トイレ、玄関の日当たりが悪くなってしまうかもしれません。道路に面した側の窓を少なくして、それ以外の3方向の窓や天窓を増やすことで家全体の日当たりを確保することもできます。
・風通しが悪くなりやすい
窓が少ないと、日当たりだけではなく風通しも悪くなってしまいがち。最近の家では24時間換気システムが付いているので、常に換気は行われている状態にあります。とはいえ窓を開けて風を通すのとは気持ち良さが違いますよね。
風通しが悪くなると湿気がこもったりカビが生えたりする可能性もあるため、窓が少ない家を建てるのであれば風通しに配慮した設計にする必要があります。
◼ 窓が少ない家を建てる際のポイント
窓が少ない家のメリットとデメリットが分かりました。実際に窓が少ない家を建てるにあたってどのようなポイントをおさえておくと良いのでしょうか。
・日当たりや風通しを確保できる設計
窓が少ない家では、日当たりや風通しが悪くなってしまうのがデメリットだとご紹介しました。日当たりや風通しの悪さを全く気にしないという方も少ないと思うので、窓が少なくても太陽光が差し込み風を通せるような設計にしたいものです。
そもそもなぜ窓が少ない家にしたいのかを考えると、日当たりや風通しへの対策が具体的に分かってきます。例えば外からの視線が気になるという理由であれば、リビングを吹き抜けにして天窓を付けたり、暗くなりがちな玄関には高い位置に窓を付けたりすることで、外からの視線を遮りつつ日当たりや風通しを確保することができます。
デザイン性で窓が少ない家にしたい場合は、道路に面した側の窓を減らして、道路以外の方向に窓を増やしたりと工夫してみてください。
・間仕切りを減らす
窓が少ない家で間仕切りが多いと、どうしても日当たりの悪い部屋が出てきてしまいます。窓が少ない家にする場合は、できるだけ間仕切りを減らすことで暗い場所を減らすことができます。光は遮るものがなければ奥まで広がっていくため。
廊下やホールを作らず吹き抜けで1階と2階を繋いだり、広々としたLD Kを中心とした間取りにしたりといった工夫が必要かもしれません。
・空間の中心に光が入るようにする
間仕切りを減らすことで光が入りやすくなるとご紹介しましたが、広い部屋を作ったとしてもどうしても奥の方が暗くなりがち。空間の中心に光が入るように工夫することで日当たりが格段に良くなります。例えば天窓を作ったり吹き抜けにして2階から光が差し込むようにしたり。
◼ 窓が少ない家の建築事例
窓が少ない家についてそのメリットとデメリット、ポイントをご紹介してきました。窓が少ない家の実際の建築事例も参考にしてみてください。
・BOX House
余計なものを削ぎ落としたビルトインガレージハウス。スタイリッシュな外観の理由は、窓が少ないことかもしれません。道路に面した側から見ると2階部分に縦長の窓が見える程度。
2階の窓がある部分はリビング。縦長の窓は珍しいですが、道路に面していない側にも複数設置されているので日当たりや風通しも確保することができます。
またガレージと螺旋階段をつなぐ箇所にも大きなFIX窓を配置。家から降りてきてすぐにバイクを見ることができ、逆に帰宅してすぐに窓から家族の気配を感じることができます。
・TO-FU
白の四角がいくつも積み重なっているような形のこちら。プライバシーを重視した設計になっているため窓が少なく、住宅街にありながら外の視線を感じることなくのびのびと過ごすことができます。
一見窓が少なく見えた外観ですが、リビングには大きな掃き出し窓があり、テラスを介して芝生の庭へと出ることができます。芝生の庭の奥に壁があり、道路から見ると窓のない家のように見えるというわけです。
窓が少ない家にすると日当たりや風通しが悪くなってしまいがちですが、このように設計の工夫次第でプライバシーを守りつつ日当たりや風通しを確保することができます。
◼ まとめ
窓が少ない家はスタイリッシュな外観にすることができますが、日当たりや風通しを確保しにくいといデメリットもあります。設計の工夫次第でデメリットを対策できるので、設計力や提案力の高い設計事務所への依頼がおすすめ。
ホームスタイリングは横浜や湘南で注文住宅の設計を行なっている会社です。多数の建築実績がありますので、窓が少ない家をご検討の際はぜひお気軽にご相談ください。