塩害に強い家を建てるには?海沿いで快適に暮らそう

塩害とは、海に近い地域において風で塩分が運ばれて家の外壁や金属を劣化させる現象のこと。外気に直接触れていない部分でも塩害が発生することがあるため、海の近くに家を建てる場合には「塩害に強い家」を意識したいですよね。

 

そこで海沿いに家を建てる際に知っておきたい、塩害についての基礎知識と塩害に強い家にするためのポイントをご紹介します。

 

◼ 塩害とは

「湘南 Vintage house」

 

海水が含んでいる塩分が風によって運ばれて、家の外壁や金属を劣化させる現象のことを塩害といいます。そのため海の近くに住む場合、避けては通れない問題ともいえます。

 

・塩害の原因と発生する距離

塩害は海からの潮風が原因なので、風が届く海から5km程度までは塩害が起こる可能性があります。

 

しかし風が強い地域では10kmを超えるエリアでも塩害が起こったり、台風の際には普段塩害が発生しない地域でも被害を受けることもあります。

 

・塩害によって起こり得る問題

外壁が塩害を受けると、金属の腐食、外壁材の剥がれ、塗料の劣化といった問題が引き起こされます。塩害によって塗料が劣化しやすくなって塗装が剥げ、内部がさらされることで金属が腐食するという仕組み。

 

また金属部分は露出していなくても、金属を覆っているセメントの塩分濃度が上がることで金属にも影響を及ぼしてしまいます。

 

◼ 塩害に強い家にするためのポイント

「niko-no-hako」

 

海の近くに家を建てることに憧れを抱いている方も多いかもしれませんが、魅力的な一方で海沿いならではのデメリット「塩害」には注意が必要です。

 

塩害に強い家にするためにはどのようなポイントに注意すると良いのでしょうか。

 

・外壁や屋根選び

塩害に強い家を建てる際、外壁や屋根選びがもっとも重要なポイントとなります。外壁や屋根は家の一番外側にあたるため、直接的に被害を受けやすい場所。

 

海の近くで家を建てるのであれば、塩害による被害を受けにくい外壁や屋根を選ぶ必要があります。

 

金属製の素材やコンクリートなどは被害を受けやすく、樹脂系サイディングや木造、天然素材などは被害を受けにくい傾向にあります。

 

金属製の外壁・屋根材の中でもガルバリウム鋼板は比較的塩害に強いと言われているため、デザインが好みだという方は設計事務所に相談してみると良いでしょう。

 

・家の形状

案外盲点なのが、家の形状。潮風や風によって飛んでくる砂が家に入り込みにくく溜まりにくい形状にすることで塩害による被害を最小限にすることができます。

 

凹凸が多い形状だと、塩や砂が入り込んだときに取り除くのが難しいですよね。定期的なお手入れの際に困らないためにも、シンプルな形状を選ぶのがおすすめ。

 

・家の構造

海の近くでは潮風による湿気の影響も受けやすいもの。そのため家の構造も重要なポイントとなります。

 

外壁内部に湿気がこもると内部結露が起こる可能性があるため、海沿いの家では湿気がこもりにくい構造を選びたいですよね。

 

外壁通気構造という構造だと、外壁内の湿気を外に放出させることができます。またホームスタイリングでは無機質の素材を使うことで防腐・防蟻性の高さも実現することができます。

 

◼ 海沿いに家を建てる際の注意点

「トータスハウス」

 

海沿いに家を建てる際には塩害に強い家を意識して家づくりをしたいですよね。そこで海沿いに家を建てる際の注意点をご紹介します。

 

・定期的なメンテナンス

塩害に強い外壁・屋根材を選ぶことで被害を最小限にすることはできますが、より長持ちさせるためには塗装による定期的なメンテナンスが必要です。

 

塩害対策として有効な塗料が「フッ素塗料」。シリコン塗料のように一般的な塗料と比べると費用が高目ですが、耐用年数が長いためメンテナンスの回数を減らすことができます。

 

また業者に依頼するメンテナンスが重要なのはもちろん、日常的なメンテナンスとしてこまめに清掃することも大切。

 

強風や台風のあとは塩分が付着している可能性が高いため、ホースやブラシなど外壁材に合った道具を使って外壁や屋根についた塩分を洗い流すようにしましょう。

 

・屋外に置くものに注意

家の外にはエアコンの室外機が置いてあることも多いと思いますが、室外機が塩分を含んだ空気まで吸い込んでしまうことも。放置していると室外機の劣化につながるため、海沿いに住む場合は海とは逆の方向、風が当たりにくい場所に置くようにしましょう。

 

また塩害が起こりやすい地域向けの室外機も発売されているため、これから設置する方はチェックしてみてください。

 

 

室外機だけではなく車や自転車を家の近くに置いていたりすることも多いはず。車や自転車は金属の面積が広いため、塩害による被害を受けやすいといえます。

 

風が当たらないようにガレージ内に停めたり、こまめに洗車したりと工夫するようにしましょう。

 

・塩害対策の実績がある業者を選ぶ

塩害に強い家を建てたい場合、塩害対策の実績がある業者、海沿いで家を建てた実績が豊富な業者を選ぶことが大切です。塩害に関する知識が豊富な業者の方が安心ですよね。

 

せっかく家を建てたにもかかわらず塩害で家がすぐ劣化してしまうようなことのないよう、塩害に詳しい業者に依頼するようにしましょう。

 

 

海沿いのエリアに建てられた実際の建築事例

塩害に強い家についてご紹介してきましたが、塩害が起こり得る海沿いのエリアで建てられた建築事例について参考にしてみてください。

 

・リゾートライクハウス

白い塗り壁が特徴的なこちらのお家は、なんと屋上から江ノ島を一望できるようになっています。

海の近くでありながら安全な場所ということで土地を探し、足場やグラを建てて眺望を確認しながらプランを立てました。

また海に近い湘南の風土を理解した上で、外壁に潮風を受けても傷みにくいようなコーティングを施したり、デッキやポーチにも傷みにくいイベ材を使用。

湘南ならではの眺望を活かすことはもちろん、家の中も工夫がたくさん。隣の家との距離が近いとは思えないほど周囲の視線が気にならないLDKになっています。

実際の施工事例はこちら

 

・茅ヶ崎サーファーズハウス

湘南といえばサーフィン。黒の外壁とウッドデッキの相性が抜群なサーファーズハウスの事例です。

サーフィンをされる施主様のために、サーフボードを8枚収納できるスペースを玄関に造作。ロングボードも収納できるように天井の一部を高く設計しています。

明るい空間をご希望でしたので、2階リビングに吹き抜けを作るプランをご提案。吹き抜け×高窓の設計で、日当たりだけではなく風通しも抜群の空間になっています。

LDKの奥には6畳の洋室を配置し、お客様が来られた時でもお子様が安心して遊べるスペースに。大人はLDKでくつろぎ、お子様は洋室で遊べるように工夫しています。

 

実際の施工事例はこちら

 

◼  まとめ

「外の視線を感じない家」

 

塩害に強い家を建てるために、塩害についての知識と塩害に強い家にするためのポイント、注意点をご紹介してきました。一生に一度の大きな買い物である家づくりにおいて、失敗することのないよう塩害対策をしっかりしてくれるような業者に依頼するようにしましょう。

 

ホームスタイリングでは、横浜や湘南で注文住宅の設計を行なっている会社です。海沿いの地域での施工実績が豊富なので、安心してお任せください。横浜や湘南で家づくりをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。