前面道路とは?家と道路の関係性を詳しくご紹介
家を建てる際に家の中や外観にこだわることはもちろんですが、土地選びの段階では隣接している道路にも注意が必要です。敷地に面している道路のことを「前面道路」といい、前面道路の幅や方角によってメリットやデメリットが変わってきます。そこで、土地選びの際に知っておきたい前面道路についてご紹介します。
◼ 前面道路とは
前面道路とは、家を建てる際の敷地に面した道路のことをいいます。敷地がいくつかの道路に面している場合は、接している距離が長い方の道路のことを指します。家を建てる際には、敷地と道路に関するさまざま決まりを守る必要があり、建築基準法では敷地と幅員4m以上の道路が2m以上接しなければならないと定められています。敷地が接している道路が幅員4m未満の場合は、敷地と道路の境界線から一定の距離後退させるセットバックが必要になります。
◼ 道路の幅
そもそも建築基準法で定められている道路とは、国道や都道府県道、市道、開発道路、計画されている道路などのことをいいますが、幅員が4m未満の道であっても建築物が立ち並んでいれば例外的に道路として認められています。今回は、実際に道路として認められている6mと4mの道路についてご紹介します。
・6m
幅員6mの道路は、区画整理が行われたエリアや大規模な分譲地に多い道幅です。家の前の道が広いと開放感があり、家の中の日当たりや風通しにも良い影響を与えてくれます。また道幅が広いと車でも安心して駐車できたりすれ違ったりすることもできます。その一方で幅員4mの道路と比べると交通量が多いため騒音が気になってしまうこともあるかもしれません。また土地の価格も少し上がってしまうためメリットとのバランスを考慮する必要があります。
・4m
幅員4mの道路は昔ながらの市街地や古い分譲地に多い道幅。狭い分交通量は少なめで、大型車が通行しないため騒音などの心配がありません。デメリットとしては、車庫入れが難しかったり車の幅によっては道路ですれ違えないことも。家を建てる際には、6m幅に面している土地に比べると価格が安いこともメリットといえますが、向かいの家との距離が近いため家の向きによっては日陰になる可能性もあるため注意が必要です。
◼ 道路の方位
前面道路が敷地のどの方位に位置するかによって、メリットやデメリットが変わってきます。家を建てる際、土地を選ぶ際には方位にも注意が必要です。理想とする暮らしや予算に合わせて方位も選ぶようにしましょう。
・南道路
敷地から見て南側に道路がある場合、一般的に日当たりや風通しが良いといわれています。郊外では日当たりや風通しが良いことが多いですが、間口の狭い都心部の住宅では日当たりが限られてしまうことも。南道路は人気の方位なので、土地を購入する際に価格が高い傾向にありますが、その分売却するときにも高く売れる可能性が高いのが特徴です。また敷地の広さによっては家を建てる位置が道路近くになってしまうこともあるかもしれませんが、道路側に開口部を設ける場合は道路からの視線が気になる可能性があることも頭に入れておきましょう。
・東道路
敷地から見て東側に道路がある場合、朝日が差し込むため午前中に日光を浴びることができます。朝に太陽の光を浴びると体内時計がリセットされるといわれているため、南道路よりも東道路の方が良いと感じる人も。人気の南道路と比べると土地の価格を抑えることができるため、朝日を浴びたいという人にはおすすめの方位です。家を設計する際、北東に玄関を配置することが多くなってしまいますが、鬼門となってしまうため気になる人は設計を考えるか違う方位を選ぶ方が良いかもしれません。
・西道路
敷地から見て西側に道路があると、東道路よりも日照時間が長いのが特徴です。夏は西日の影響を受けやすいため、苦手だと感じる人もいます。しかし南側の間取りを確保しやすく、L型の間取りにすると西南の向きの日当たりを確認することができます。また西道路の家では駐車場も西側に設置することが多いため、車が紫外線を受けやすいことに注意が必要です。西道路は南道路よりも安い価格で土地を購入できるため、程よく日当たりを確保しつつ初期投資を抑えたいという人におすすめです。
・北道路
敷地から見て北側に道路がある場合、日当たりが良くないといわれがちですが、完全に真北に面する土地はあまりありません。東西のどちらかを向いていれば朝日か西日が入るため、完全に日が当たらないということはないといえます。南側リビングを広く取ることができるのは北道路のメリットであり、道路側には玄関やキッチンなどを配置することが多いため周りの視線を気にせず過ごすことができます。他の方位と比べると土地代を抑えられるため、予算が気になる人は北道路も検討してみて良いかもしれません。
◼ 家と道路の関係性
家を建てる際や土地を選ぶ際、道路とは切っても切れない関係性があることが分かりました。具体的に道路に関してどのような点に注意すると良いのでしょうか。
・敷地と道路の接地
土地を探す際、きれいな正方形や長方形の土地だけではなく、旗竿地や不整形の敷地などさまざまな形があることを知ったという人もいるかもしれません。正方形や長方形であれば、敷地のどの辺が道路に何m接地しているかが分かりやすいですよね。旗竿地であれば家が建つ部分に向かって延びている敷地内の道のうち、2m以上面している必要があります。不整形の敷地でも同じように道路と面している辺が2mなければなりません。そもそも敷地の前の道が建築物で認められた道路でなければ接道義務を満たしているとはいえないため、土地を購入する前にしっかり確認しておくようにしましょう。
・私道に接する土地の購入
土地を探していると、公道に接している土地だけではなく私道に接している土地があることも知るかと思います。私道に接している土地を購入する際には注意が必要です。存在する私道の所有者は、地主か土地を購入した人による共有名義、分筆して持ち合っているかのいずれかになります。道路が整備されていなかったり水道管が劣化していたりしたとしても、私道の所有者以外が道路や水道管を直すことはできません。私道の所有者との関係によってはトラブルが起こってしまう可能性があるというリスクも知っておくようにしましょう。
◼ まとめ
マイホームの購入を検討する際、同時に土地探しも行う人が多いことでしょう。土地について調べていると前面道路という言葉を耳にすることもあるかもしれませんが、新しい家で快適に過ごすためには重要なポイントとなります。建築基準法で定められている道路の幅について知識を身に付けた上で、どの方位の道路に面した土地を選ぶかを考えてみてください。
ホームスタイリングでは、お客様のご要望に寄り添った注文住宅の設計を行っています。マイホームを購入する際には土地に関して不安な点も多いかもしれませんが、ホームスタイリングでは土地探しに関するお手伝いも行っております。土地探しや住宅ローンの金利優遇、土地活用の事例など、土地に関して気になることがあればお気軽にお問い合わせください。家づくりに関しても明確なコンセプトをもとに設計を行っておりますので、横浜と湘南で注文住宅の設計をご検討の際はぜひご相談ください。